うつのときって、何をするにも気力がわかず、
ただ毎日をやり過ごすだけで精一杯。
そんな状態のまま、ぼくは夢だった世界一周に出ることにしました。
何かを変えたい。でも何を変えればいいのかも分からない。
そんな曖昧な気持ちのまま始めた旅でした。
でも、思っていた以上に、旅は自分を少しずつ動かしてくれました。
このブログでは、**うつ状態だったぼくが、
世界を旅して見つけた「気づき」や「回復のきっかけ」**について書いています。
もし今、心がしんどくて立ち止まっている人がいたら、
ちょっとでもヒントになれば嬉しいです。
1. 世界一周をきっかけに友達とまた連絡を取り出せた
うつっぽいときって、誰かと話す元気がないとか、人が怖いとか、いろんな理由があるけど、
ぼくの場合は、「今の自分の状況が恥ずかしかった」んです。
仕事もしてない、夢も持ててない、毎日ただなんとなく生きてる。
そんな自分を誰かに見られるのが怖くて、
友達とあえて連絡を取らなくなっていった。
情けない自分を見せたくなかっただけ。
でも、世界一周の途中でふと、
「この景色、誰かに見せたいな」とか
「この話、久しぶりにあいつに話したら笑ってくれるかも」
って思えるようになった瞬間があって。
思いきってメッセージを送ってみたら、思っていたよりずっと自然に返事が返ってきた。
「今どこにいるの?」「楽しそうじゃん!」って。
そのやりとりの中で、ふとした言葉に励まされたり、
自分じゃ気づけていなかった視点に触れられたりして、
少しずつ心がほぐれていったんです。
誰かに頼るまではいかなくても、ただ話すだけで、
視野が広がって、心が軽くなることって確かにあるんだなって思った。
振り返ってみると、世界一周で得た一番の収穫は、
人とのつながりをもう一度信じられるようになったことかもしれません。
2. なりたい自分が見えてくる
旅をしていると、日本にいたときは見えてこなかった「自分」が浮かび上がってくる瞬間があります。
• この国の人みたいにのんびり生きたいな
• あんなふうに自由に働いてる人、かっこいいな
• 自分もこんな風に笑える毎日を送りたいな
いろんな国で、いろんな人たちと出会い、
いろんな生き方を目にすることで、
**「自分はどう生きたいんだろう?」**って、自然と考えるようになるんです。
うつ状態のときって、「こうなりたい」どころか「自分が何者か」すら分からなくなる。
でも旅をしていると、
他人と比べるんじゃなくて、**“自分の軸”**が少しずつ見えてきます。
ぼくにとって世界一周は、
“今の自分”から“なりたい自分”へのヒントを探す旅でもありました。
3. 自分に引け目を感じることなく人と対等に交流できる
うつ状態のときって、どうしても自分に自信が持てなくて、
「こんな自分が人と関わっていいのかな」と感じてしまうことがありました。
でも、旅先ではそんな“肩書き”や“状況”は関係なく、
• 同じ宿に泊まっている
• 同じツアーに参加している
• 同じ景色を眺めている
それだけで自然と人と話せるし、受け入れてもらえるんです。
誰かと話すときに「仕事は?」「今何してるの?」なんてことを聞かれない国も多くて、
“今ここにいる”というだけで、十分に価値があると感じられました。
日本にいると、「働いてない自分はダメなんじゃないか」とか
「人と比べて遅れている気がする」と思ってしまいがちだけど、
旅の中では、ただの“ひとりの人間”として、誰かとフラットに繋がれるんです。
この感覚は、ぼくにとってすごく救いでした。
4. 世界一周が自分にとっての通過儀礼になった
うつ状態のときは、毎日がぼんやりしていて、
「このままでいいのかな」「何をしたいのか分からない」って、
常に自分の中にモヤモヤを抱えていました。
世界一周に出たのも、「何かが変わればいいな」という
どこか他力本願な気持ちがあったのが正直なところ。
でも旅の中で、
— 思い通りにいかない毎日
— 言葉が通じないもどかしさ
— 出会いと別れの繰り返し
そんなことを何度も繰り返すうちに、
だんだんと「自分はこれが好き」「これは嫌だ」っていう
感覚が少しずつクリアになっていきました。
完璧な答えなんて出なかったけど、
ずっと曖昧だった“自分”に、ひとつ区切りをつけることができた。
今思えば、あの旅はぼくにとって
「うつだった自分」から「これからの自分」へと移るための通過儀礼のような時間でした。
人生の中で、一度しっかり立ち止まって、自分に問い直すために必要だったプロセス。
旅を終えたあと、「よし、次へ行こう」って思えたのは、
あの時間をちゃんと“通過”できたからだと思っています。
まとめ:旅を通して、少しずつ自分を取り戻していった
うつのとき、自分の気持ちすらうまく言葉にできなくて、
何が正解かも分からないまま、目の前の不安に押しつぶされそうな日々を過ごしていました。
そんな中で始めた世界一周は、
最初から何かを変えるつもりだったわけじゃないけれど、
結果として、今の自分を受け入れ直す時間になった気がしています。
旅の中で、
止まっていた人との関係が少しずつ動き出し、
なりたい自分がぼんやりと見えはじめ、
人との関わりの中でもっと自然体でいられるようになりました。
そして、ずっとぼやけていた“自分”という存在に、
小さな輪郭を描くことができた。
世界一周は、ぼくにとって
**「うつの自分から、次のステージへ進むための通過儀礼」**でした。
何か劇的な変化があったわけじゃないけれど、
たしかに、自分の人生の流れが変わったと思える時間でした。
もちろん世界一周じゃなくても、日本の外に少しだけ出てみるだけでも何か変わるかもしれません。